ITスクール、システム・インテグレーション、人材コンサルティング、Webマーケティングを中心に、セキュリティ・ソリューション、広告事業なども手掛ける株式会社エスアイイー(以下、SIE)。
この会社が、どんな「今」を、どんな「未来」を見据えているのか、社員の「目」を通じて紹介する。
今回の「目」は、ITソリューション事業部の廣川太一。
「転職」、そして「医療IT」などについて話を聞いた。

現在の担当業務

患者と医師と医療のつなぎ役を担う。

ITエンジニア、オペレータとして廣川が日々を過ごしているのは、病院。
今や医療の現場でも「IT」は、欠かせないモノとなっており、ここ数年のコロナ禍にあっても毎日現場(病院)に出勤し、その運営をサポートしてきた。
「電子カルテの運用保守」が主な業務となっている。

エンジニアの方々はこのコロナ禍でリモート作業も増えたと思うが、毎日現場に?!

廣川『電子カルテは、個人情報の塊なので、病院に設置してあるサーバーに、直接接続して作業をしなければなりません。
外部に持ち出すことはできないので、毎日通勤しています』

電子カルテの運用保守・・・具体的に日々の業務はどんなことをしているんですか?

廣川『多いのは、薬剤に関するマスターの変更です。
薬剤師さんから、「この薬剤を変更したので、電子カルテに反映させてほしい」という依頼が来ます。
例えば、「〇〇という薬の期限が切れそう・・・、使用期限を今日までにして」そんな依頼を電子カルテに反映させる。
電子カルテで開いた時に、「明日になったら使えなくなる」というような表示が出るようになります』

個人的に医者にかかると、電子カルテの情報の細かさに驚かされますが・・・

廣川『電子カルテに付随して、部門と言われる、例えば「薬剤」、「給食・ごはん」、「内視鏡」など、様々な事柄が電子カルテに紐づいています。
各部門に何か変更点があった場合は、こちらのその情報が集まり、それを電子カルテに連動させます。
正確に、スムーズに、電子カルテを運用してゆくための設定・反映を行っています。

その他、研修医の方々に電子カルテの使い方、操作講習を行うこともあります。
また、最近の多くなってきているのが、医師の方々からの「データの抽出、分析」依頼です。
例えば、1年間を通して、その科に年間何人の患者さんが来て、そのうち何人が〇〇という病気になっているか。
その割合を調べて欲しい、など・・・。
そんな依頼に対する資料を作ったり、学会で発表するための、資料作成などもします』

廣川 太一 ITソリューション事業部

前職と転職

2020年1月にSIEに入社。
1か月の研修の後、現在まで医療ITの現場を担当している廣川だが、その前、7年間所属していたのは、なんと、航空自衛隊。
入隊当初は「パイロット」を目指し、そのための訓練を受けていたが、視力の問題でパイロットへの道を断念してからは、いわゆる訓練の日々。
さらに、恒常業務として、英語の能力を生かし、米軍との共同訓練時の通訳、翻訳、英語が話せない隊員に向けた資料作りなどもしていた。
なぜ自衛隊に入隊したのか?そしてなぜIT業界に転職したのか?

「ノミ」が導いてくれた自衛隊。

自衛隊にはどんなキッカケで入隊されたんですか?

廣川『僕が通っていた高校が、英語に力を入れている学校でした。
自分の英語能力を生かしつつ、いろいろな社会経験をしてみたいと思いました。
それに当てはまるのが、警察官、自衛官だと思い、中でも自衛隊の方が海外に関わることが多いのではと思い、タイミングよく入隊テストがあったので受けたら受かりました。
ちょうどその頃(高1)、東日本大震災があり、そんな影響もありました』

「英語を活かす」なら、外資系の企業とか、商社などもあると思いますが・・・

廣川『高校卒業後、大学に入ろうとは思っていましたが、当時高校の恩師が面白い話をしてくれました。
「虫のノミは、あの小さな体で1メートルぐらいジャンプする。
そんなノミでも、5センチ四方の箱に1週間も閉じ込めると、5センチしか飛べなくなる」そんなお話に感銘を受け、箱に収まるのではなくて、もっと広い視野をもって経験したことがない世界に行こうと。
大学よりも先に、あまり経験したことのない世界に飛び出してみようと決心し、自衛隊に入隊しました。
ごく一般の会社でもよかったのですが、なかなか自衛隊は経験することができません。
もともと体を動かすことも好きでしたし、英語も活かせて、海外にも行ける。
人があまり経験したことがないモノも経験できる。
そんなことを考えて、自衛隊への入隊を選びました』

Webで偶然見つけた会社への転職。

自衛隊を退職されてから、IT業界を目指した理由は?

廣川『当時はやっていたゲーム Minecraftが好きで、英語能力を伸ばすために高校からやっていました。
これについては自衛隊時代でも興味があったので、JAVAをやっていくうちに、ゲーム業界ではなく、言語プログラミングに興味が出てきました。
また、自衛隊では能力技能検定のようなものがあります。
どの方面が向ているかを調べる試験があり、その結果、技術適正が一番高く、エンジニア系の職種に適性が高いと出ました。
そんなことを思い出し、IT業界を選びました。
ただ、未経験なので、入れるものなのか、いろいろ調べていました』

転職活動、どんなコトからはじめましたか?

廣川『まず、「IT業界」というモノを全く知らなかったので、Webでいろいろ調べてみました。
その他にも、知り合いでIT業界の人もいたので、そんな人たちからお話しを聞きつつ・・・IT業界にもいろいろな会社あって、未経験では入れないところもある。
それなら、業界の形を知ることができるような会社に入った方がいいと。
業界、業務にイメージが固まっていない時点で、無理矢理目指す会社を決めるのではなく、まずは業界全体を幅広く見れるような会社を探しました。
そんな時に偶然WebでSIEを見つけ、未経験でもチャレンジができるということだったので、応募してみました。
基礎的なところを教えつつ、専門学校のような教育施設があるなら、それはベストではないか、と思いSIEにチャレンジしました』

その他、転職先を選ぶ上で重視したことは?

廣川『資格を取りたかったです。
SIEでは資格取得の手伝いもしてもらえるので、そんなところも魅力でした。
勉強できて、資格も取れる、未経験でもチャレンジできる。
自分にとっては理想的な会社でした』

「転職」に必要なことって、なんだと思いますか?

廣川『小さなことでもいいので興味を持つこと。
好奇心。
「これってどういう風になってるんだろ?」、「こういう風になってみたい」という好奇心。
そこを基準に、「こういう風にしてみたらどうなんだろ」というステップアップにつながる。
そのキッカケとなる小さな興味がとても大切だと思います』

廣川 太一 ITソリューション事業部

IT業界について

人のためになる仕事がしたかったです。

自衛隊というある意味真逆の世界からIT業界に飛び込んだ廣川。
専門的な知識は全く持たずにそのキャリアをスタートさせて3年。
入社当時はどのようなことを思い、現在はどのようなことを感じているのだろうか?

入社後1ヶ月の研修を受けて、すぐに現場に飛び込んだ・・・?

廣川『まずはIT業界を広く知るためにSIEを選んで入社しましたが、僕の場合は、現場が医療系。
スクールでITの基礎知識は学べましたが、医療の知識も並行して学習しなければなりませんでした。
理解しなければならない知識の量がすごく、日々勉強の毎日は今でも変わっていませんが、「医療系」は自分で希望した現場なので、毎日が充実しています』

現場については希望を出すことができる?

廣川『入社してから、営業の方と面談する機会があります。
その時に、どんな方面に進みたいかのヒアリングがあります。
その後も密に会話をして、自分の希望する分野を目指す、というカタチになります。
僕の場合は、ケガをしたりで病院にお世話になっていた期間もあったので、医療系もいいかなとおもったのがきっかけでした。
基本的に入社して最初の1ヶ月は、Lpicを習熟する中で、試験に向けての勉強であったり、それと並行して営業の方と会話をし、「LPICならこういう風に生かせるかもね」という提案もして頂きました。
その中でもやはり、一番興味が持てたのが、医療系でした』

IT業界に入って3年。今、どんなことを感じていますか?

廣川『「人のためになる」ということを直に感じるようになりました。
自衛隊は国防の任務に就き、何か緊急出動の時に人々に感謝されたりはしますが、直接感じられる頻度はIT業界の方が多いと思います。
現在担当している医療系現場だと、医師から依頼があったり、ナース、病院職員から依頼があり、基本的にはその日のうちに対処するので、日々感謝される場面があります。
ITというもので人に貢献できる。
専門職の方の役に立つことができることは、自分の喜びとしても大きいです』

エンジニアという職業を3年間続けてこれた秘訣、ありますか?

廣川『勉強はもちろんですが、僕は特にコミュニケーションを重視しています。
他のエンジニアの方々と密に関わることが重要です。
例えば僕は病院の現場で電子カルテの運用保守を担当していますが、同じ病院内には他にも、インフラ、ネットワークなどを担当しているエンジニアの方々がいます。
インフラ担当のエンジニアの方とお話しをすると、まったく知らない分野の話になり、興味がわきます。
他の分野のエンジニアと話すことで、興味が湧き、もっと知りたい、もっと勉強したくなる。
これが継続して行くために必要なことだと思います。
息詰まる、辞めたくなる、そんな原因には、何かしら「分からないこと」がある、あるいは、「ストレス」があると思います。
いろんな方々と話をしているうちに何となくその回答が見えてくると思います。
もちろん様々な業務を行う上でも、コミュニケーションが重要だと思います』

最後に、このサイトを見てIT業界を就職先に考えている方々にメッセージをお願いします。

廣川『僕は全く別の業種から入りました。
知識も全くありませんでした。
でも、実際に僕もやれています。
それは入社してすぐのITスクールでの教育があったり、人事の方、営業の方々が密に会話をしてくれるのが大きいです。
全くの未経験でも安心して入ることができます。
不安はあると思いますが、安心してチャレンジしてもらいたいです』