ITスクール、システム・インテグレーション、人材コンサルティング、Webマーケティングを中心に、セキュリティ・ソリューション、広告事業なども手掛ける株式会社エスアイイー(以下、SIE)。
この会社が、どんな「今」を、どんな「未来」を見据えているのか、社員の「目」を通じて紹介する。
今回の「目」は、ITソリューション事業部の佐藤清一。
ITエンジニア歴17年になる彼が、どのようにスキルアップしてきたか、話を聞いた。

IT業界での「これまで」

働かざるを得なくなり、IT業界へ。

インフラ・エンジニア、現場の管理責任者として日々を過ごしている佐藤がIT業界に入ったのは、今から17年前の2006年。
実は初めからこの業界を目指していたわけではなく、「必要に駆られて」の業界入りだったそうだ。

佐藤『大学に入学した直後に、父が病気になったんです。
突然働かなければならなくなり、とにかく未経験でも就職できるところを探しました。
その頃はIT業界の募集が多く、PCを使えるようになれば、将来的に役に立つかな、程度の思いでIT業界を目指しました』

当時は、ITのイロハのイも知らない状態。
プログラマー、運用・・・ 何を選んだらいいのかもわからず、とにかく求人広告の上から入社試験を受けて、とあるIT系派遣会社に入社する。
その後、2010年にSIEに入社することになるが、それまではどのような道を歩んできたのか。
以下にまとめる。

①IT系人材派遣会社に入社。1か月間eラーニングの研修を受け、「公共系システムの運用保守」の現場に配属。
⇒PCを覚えるために「はじめてのXP」のような本を読んだり、「特打ち」というタイピング・ソフトを使って、PCの基本操作とMicrosoft Officeを覚える。
②某携帯電話会社の「データウェアハウス監視業務」の現場へ。
⇒旧→新へのデータウェアハウス切替という名目だったが、パトランプを止めたり、アラームの集計する係で、スキルは身につかず。
③「コールセンター」系の現場に転属。コールセンターの故障受付窓口を担当。
⇒2年ほど頑張ったが、スキルは何も身につかず。薄給ということもあり、転職を決意。

IT業界での「いま」

しっかり積み上げてきたと自負しています。

2006年からIT業界入り。
4年間の経験を経て2010年にSIE入社。以来13年に渡ってインフラ・エンジニアとしての業務を行ってきた佐藤だが、現在の職務について、話を聞いた。

SIEに入社して初めに担当したのは、どんな現場でしたか?

佐藤『面接では、入社前に勉強した「Linux」系の仕事ができる現場を希望しました。
入社して2週間後、最初の現場に配属。
某携帯電話会社のコールセンターのインフラ環境を作るという現場でした』

担当したのはどんな業務でしたか?

佐藤『最初は設計だけでした。
ただ、現場にはLinuxができる人しかいなかったので、ネットワークやサーバーについても、仕方なく担当するようになりました。
途中、現場の都合で1人で担当していた時期もあり、本来ベンダーがやるはずの、検証、設計、仕様書を作る、そんなこともやりました』

その次の現場が・・・

佐藤『2014年から某電気通信事業の会社に配属。
現在は現場の管理・責任者をしています。
基本的にはマネージャー。
その他、提案、設計などの業務も行っています』

SIEに入社して13年になりますね。

佐藤『IT業界に入ってからは17年になります。
SIEに入社してからはずっと構築系の現場を担当していますが、そんな中でも自分としては、しっかりいろいろな技術・知識を積み上げてきたと思っています。
現在は管理職なので実際の作業はほとんどやりません。
管理者として工事の設計をしたり、課題管理、進捗管理がメイン。
それでもみんなに相談されたり、会話をする場面は多いです。
人と会話をするには、やはり知識が必要。
そのために、資格の取得を続けています。
その技術をわかっていないと、その技術に関する悩みは解決できない。
まだまだ、日々積み上げています』

佐藤 清一 ITソリューション事業部

IT業界での「ターニングポイント」

2つのポイントで成長することを覚えました。

一切スキルを持たずにIT業界に入り、今年で17年。
現在では現場のマネージャー、責任者としての業務を担当している佐藤。
17年もの間、ITエンジニアを続けてこれた理由として、これまで2回のターニングポイントがあったそうだ。

①転職活動で門前払いが続いた時。
⇒それまで4年間IT業界で働いてきたが、それでも「スキルと経験不足」という理由で、試験を受けに行っても門前払いされる日々。
ここで目覚め、転職活動を1年間休んで、とにかく勉強した。
当時流行っていたLinux漬け。本と中古のPCを購入。
本に書いてあることを片っ端から実際に検証してみた。
②コールセンターのインフラ環境を作った時。
⇒SIEに入社して最初の現場で、とにかく様々ことをさせてもらった。
ここで、実際の検証、構築のやり方も覚えた。
現場担当の方が親身に付き合ってくれ、様々なプロダクト製品でやらせてもらった結果、かなり広いインフラスキルが身についた。
よくある構築の現場では、1つのことしかやらせてもらえないが、この現場は特殊で、いろいろなことサーバー、ネットワーク、セキュリティ、いろんなことをさせてもらった。
ここでウォーターフォール型の仕事・・・提案、要件定義、設計、構築、テスト、運用という最初から最後までのフローをやらせて頂いたことが、現在でも役に立っている。
ITエンジニアを続けていく上で一番大切なことは「勉強」・・・

佐藤『まずはそこに尽きると思います。
そしてそれを「続ける」こと。
入社したての頃は、運用監視の現場に入ることが多いです。
そこで3~4年たつと先が見えにくくなり、退社してしまう方も多い。
同業他社に行ったり、全くの異業種に挑戦する方もいます。
もったいないなと思うのは、3年やってきたモノがベースになって4年目がある。
4年目がベースになって5年目の成長につながる。
そのあたりから、仕事的にも、給与的にも、様々なチャンスが生まれます。
そんなタイミングまで何とか頑張ってほしいです。
自分としてはその部分の参考事例でいたいと思っています』

IT業界での「スキルアップ」

とにかく資格の取得に力を入れています。

若手にとっての参考事例でいたい。
そのために、日々の勉強を欠かさない佐藤だが、具体的に、積極的に取り組んでいるのが「資格取得」。
2008年頃から継続して資格試験にチャレンジし、現在では「SIEのテクニカル担当」とも言われている。
現在はマイクロソフト系のモノが多いそうだが、いちエンジニアとして活躍するため、若手社員の見本になるため・・・なぜ「資格取得」を選んだのだろう?!

佐藤『現場で必要な資格があったら、まず覚えて、ベーススキルを身に付けることが重要です。
「資格」は体系的に整っているので、ササっと覚えるには最適だと思います。
最先端の技術は、資格には反映されません。
割と全世界で広まって浸透して、だいぶ技術的に枯れた状態になって、資格の試験問題になる。
ただ、試験問題の知識は最新知識のベースになります。
それが理解できていないと最新技術は扱えません。
はやりものを追うのと、基礎スキルを身に付ける、その2本柱絵を継続しないと、最近のIT技術の先端に追い付くには苦しくなります』

毎年新しい「資格」が出てくる?

佐藤『新しいモノも出てくるし、「更新」があったりもします。
マイクロソフトのモノは、毎年1回、更新試験を受けてくださいというメールが来ます。
合格してから、また更に受けて、アクティブ状態を保っていかなければなりません。
これが日々の勉強にもつながります。
私の場合、よく使うクラウド系は更新し続けています。
頑張って資格をとっても、来年は業界がどうなるか分かりません。
ただ、現在の最新技術を取得していないと、次の最新技術を身に付けることが難しくなります。
常に自分をアップデートさせていくことが重要だと思います』

「勉強」のコツってありますか?

佐藤『本を買わなくなりました。
PDFの出版しているものを買ってタブレットに入れて、アドビリーダーで読み上げ機能を使って読み上げる・・・聞く専用の形に変えました。
これならなかなか時間が取れないときにでも「ながら勉強」もできます。
あとは、自分で問題集をやってみて、分からないところは本を読む。
現在は、PCで検索すればだいたいのことが分かります。
資格であえて勉強しなくてもと思うかもしれませんが、資格を勉強するということは、その知識が身についているかを確認する作業でもあります。
その身についた技術を実際に使用してみる、という工程は必ず入れるようにしています』

佐藤 清一 ITソリューション事業部

IT業界での「SIE」

努力が反映される会社です。

現在様々IT企業がある中で、SIEという会社はどんな会社なのだろうか?!
ITエンジニアとして技術畑を歩んできた佐藤の目から見たSIEについて話してもらった。

SIEってどんな会社ですか?

佐藤『他社のこともそこまで詳しいわけではありませんが、いろんな部署が協力し合って、お互いが生産性を高めていると思います。
現在現場業務と並行して、社内業務も一部担当していますが、人事部と協力して資格運用ルールやスキルシートを更新したり、講師部と協力して、社内の検証環境を作ったり、社内研修の技術的なところも見ています』

エンジニアを派遣する、というスタイルのIT企業も増えてきていますが、そんな中でSIEの特徴は、どんなところにあると思います?

佐藤『お金を稼ぐという部分で、勉強して稼いだ結果、給与に反映される会社です。
頑張った結果、自分の給与に反映する会社って、なかなか多くはないと思います。
成果が出なくても、頑張ったプロセスを評価にして、手当をくれたり、人事の方で評価して昇給する、そんな制度がSIEにはたくさんあります。
頑張った人が頑張った分だけ評価されて給与に反映される会社だと思います。
先ほども言いましたが、入社か3~4年の人はベースができたところなので、そこでぐっと我慢してさらに努力すると、手当が出るところまで行けると思うので、継続して頑張ってほしいです』

最後に、「ITエンジニア」という職業について、思うことは?

佐藤『他の、プログラマーや、最近はやりのデータサイエンティストなどあると思いますが、インフラの仕事は、他と比べると勉強が必要です。
仕事場に行って仕事をするために、普段から勉強していないと、実際に仕事ができないものが多いです。
業務時間外の拘束時間が長い。
それが他業種と違うところ。
覚える範囲が、細かすぎて広い。
特に、サーバーをやっている人は、OS、ネットワーク、そこに乗ることになるプログラム・アプリケーションのことも知らなければならないし、それを作って納品したら、運用しなければなりません。
3年以上先のことを見据えて作らなければなりません。
そうなると、グローバル知識も必要、運用保守についても知らなければならない。
なにか1個覚えたからご飯が食べられる業界ではありません。
時間がある時には常に現場で実践訓練を続ける。
大変な業界ではありますが、頑張った分だけ反映される業界でもあると思います。
本を読んだり、Webの記事を見たり、自分で検証環境を作ってみたり、そんなことをして努力し続けることが大切だと思います』