ITスクール、システム・インテグレーション、人材コンサルティング、Webマーケティングを中心に、セキュリティ・ソリューション、広告事業なども手掛ける株式会社エスアイイー(以下、SIE)。
この会社が、どんな今を、どんな未来を見据えているのか、社員の「目」を通じて紹介する。
今回の「目」は、講師・開発事業部、開発エンジニアでスクール講師も務める松本恭輔。
彼の目を通じて、「ITエンジニア」についてまとめてみる。
講師・開発部とは?
『知識ゼロからのスタート』
松本『講師・開発部は、ITスクールの講師をするのが業務の1つです。
スクールは、「現役エンジニアが教える」というのがコンセプトになっているので、他の会社から受託した業務を受けて、開発やサーバーの構築などの行うのが2つ目の業務。
そしてもう1つは、書籍の執筆。この3つが、主な業務となっています。
人数は30人ほど。
ネットワークエンジニアに必要な知識・技術を証明する最もスタンダードな資格「CCNA」、サーバエンジニアにとって欠かせないLinuxの知識・技術を証明する「LPIC」、システム開発やアプリケーション開発など様々な分野で使用される「JAVA」、については全員が資格取得するという共通目標があります。
エンジニアとして現場を見ること、資格取得のために勉強すること、スクールで教えること、その全てが互いに作用しあい、それぞれの場面でいい効果を生んでいます』
松本も例にもれず、1年の業務の流れとしては、4~6月は社内・社外の新人社員に対しての研修を受け持ち、7月~翌3月は、引き続き新人社員研修、ITスクールでの一般生徒への講義、そして自らエンジニアとして社内システムの開発なども行っている。
そんな松本だが、大学では工学部で共生応用化学を学び、俗にいう「実験」の日々。
初めに目指した職業は安定してそうだから、という理由で「薬剤師」。
その後公務員を目指した時期を経て、知人の紹介を通じてSIE講師・事業部に辿り着く。
松本『大学の授業でちょっとかじったぐらい、ITの知識はもちろんゼロ。
それどころか、家庭教師だったり、塾講師だったり、いわゆる「教える」という経験も一切ありませんでした。
当時はとにかく「働かせてもらえる」のがうれしくて入社しました。
入社して最初の1か月は、合同研修という形で、研修を受けました。
先輩の講義を受けて、資格を取得して、という流れは、今の新人さんたちと一緒。
毎日の講義の後に自分で勉強してきました。
個人によってスピードの差はあると思いますが、長く地道にやれば、その分成長できるのがこの世界だと思います』
『教わったこと、教えていること、教えたいこと』
IT知識ゼロからのスタート。
現在は現場での作業に加え、講師として人に教える立場にある松本。
それぞれの立場での「教え」について質問してみた。
松本『最初の1か月の研修では「ネットワーク」の勉強をしました。
具体的に言うと、資格取得のための知識を教わりました。
その後は実務を行いながらの勉強でしたが、ITの世界は常に進化しています。
例えば、同じ機能をさせるにしても、そのメンテナンス性に目を向けると、より良いコードの書き方があったり。
単純に開発するだけならすぐですが、先輩方のコードの書き方などを見たり、自分で作ったモノを見てもらうと、気づかされることがとても多い。
そういう部分をとっても日々学びがあります。
また、会社員としてエンジニアをやることでも教わることは多いと思います。
個人でやるよりもチームでやる方が、より大きな仕事ができる。
その過程で、他のエンジニアから学べることはとても多いです。
結果「大きなモノ」を開発し、多くの人がそのサービスを使っているという実感が持てるのは仕事へのモチベーションにつながります』
松本『人それぞれの理解度、進み具合があります。
そういった意味でも、SIEのITスクール、「システム・アーキテクチュア・ナレッジ」は1クラス多くても10人ぐらいの生徒数。
この人数だと、生徒と講師の双方向での授業となり、質問をしやすい環境が生まれます。
ITスクールは数多くありますが、人数が多く、ただ講義を聞いているだけ、というカタチのところが多いです。
また当校には「現役エンジニアが教える」というコンセプトがあり、さらには講師みんなが開発系、インフラ系、さまざまな分野のクラスを持つようにしているので、1つの分野についての授業でも、その周辺知識、最新の情報も教えることができます。
これが講師全員が現役エンジニアであるうちのスクールのメリットだと思います』
松本『今現状展開されている講義内容は、ホントの未経験者向けのモノが多いです。
最近は講師・開発部にも人が増え、その基礎部分は新たな人たちが教えてくれたりしているので、これまでいる人間で、1つ上のフェーズに行きたいですね。
新人講師のフォローはもちろん、時間が空く分、いろんな開発、構築案件ができるようになるので、これをカリキュラムに落とし込んで、講義を行える体制を作りたい。
一番近々でいうと、コンシューマーゲームの開発をやっているチームもあるので、そんな知識、ノウハウを吸収して一般化して講義できればいいなと思います。
プログラミング言語「パイソン」が人気になって3~4年になりますが、それこそ機械学習できるといいなとも思っています。
この辺はニーズとのバランスもありますが、調整しながら、今やっている基礎的なところから一歩進んで、実際に何かプロダクトを作ることができるぐらいのスキルが身につく講義ができると、スクールとしてもいいんじゃないかと思っています』
知的好奇心とコミュニケーション能力
エンジニアに向いている人とは?
これまで数多くのエンジニアをみて、エンジニアを育ててきた松本が思う、「エンジニア向けの人」とは、どんな人だろうか?
その問いに、少々考えてから出てきた言葉が、「知的好奇心が強う人が多い印象がある」。
この世界は日々変化しているが、特にITの現場では、自分が受け持つ業務で、これまで使ったことがないプログラミング言語で仕事をしなければならない、という場面も多い。
そんな時に好奇心がなく、目の前にある新しい事象に挑戦するのがちょっと・・・という方には、厳しい職業、ということになる。
そして、松本もこの職に就くまで持っていたという、エンジニアに対するイメージ=1人でひたすらPCに向かい、キーボードをたたく・・・ もちろん、そんな場面が全くないわけではないが、特に会社員としてエンジニアをする場合は、「人との関わり」が重要になるという。
例えばチームとして大きな案件を担当する場合。
三者三様のコードの書き方をしてしまうとメンテナンスの時に大変なことになる。
コミュニケーションをとり、認識合わせをすることが、案件の成功への第一歩となる。
もちろん、そんな大きな案件を獲得する上で、お客さんとの綿密なコミュニケーションが必要なのは言うまでもない。
講師・開発事業部の面々は、みな仲がいいらしい。
例えば、実際に開発業務をやっていると、納期があり、徹夜作業になることもあるが、みんな楽しそうにやっているので、つらい気持ちにならないという。
チームでの作業になるので、どうしようもなくなった時に、休日出勤もあるが、「だれか出ている方、いませんか?」と呼びかけると、みんなが手を挙げてくれるそうだ。
なんでそんなことになるのか?
普段からの部内でしっかり取られているコミュニケーションと、新たなコトに触れられるチャンス、個々の知的好奇心のおかげではないだろうか?
そしてもう1つ。
日々進化する様々なITに関する知識を「暗記」する力も重要になるのでは・・・
松本『実は暗記する必要は、ほとんどないです。
今は、個人の方がブログを書いていたり、様々なサイトや書籍、身近ないろんなところでヒントに会うことができます。
暗記するのではなく、調べた時に、出て来たモノを理解できるかが問題です。
それができれば、ある程度はモノが作れるようになり、モノが作れるようになると楽しくなる。
私も開発するときには調べながらやりますが、見て理解できるだけの基礎知識があれば、いいと思います』
楽しい会社です!
『株式会社エスアイイーという会社は・・・』
松本『楽しい会社!みな仲が良く、教育体制、フォロー体制もしっかりしています。
未経験でも働けるし、実際に入ってきた後輩もみな未経験者。
ITに触れてこなかった方にとっては、ハードルが高いかもしれないですが、ぜひ飛び込んでもらいたいです』
松本『会社のコンセプトが理にかなっていると思ったのが一番です。
現役のエンジニアが教える、という部分。
とても将来性を感じ、こんな業務ができたらいいなと思いました。
一人でできる事には限度がありますが、それでもプログラム自体で、PC1つあれば、お金を生み出すことができる、という部分にも魅力を感じました。
ほかの業界は仕入れだったりがありますが、ITは仕入れなどない。
人がいれば開発できる。
そんなところが魅力的ですね』
松本『体系的に、例えば、普段見ているようなウェブサイト、どういう風にして自分のPCやスマホの画面に映されているのか、普通はそんなこと考えないと思いますが、そのページの情報を持っているサーバーの動きから、実際に画面上で動いているプログラムというのが、全部網羅的にわかるところが、いいところだと思います。
私自身は、結構飽き性なところがあるので、そんな人には向いていると思います。
新しい知識を見つけられるのが楽しい部分。
友人、後輩などと話していても、 「そんな風に仕事をしていて、つまらなくないのかな」と思うことがあります。
と、思えるということは、いろいろ目新しいことに触れさせてもらえているということだと思います』
松本『間違いなく、身につけて損はないスキルが身につく職業です。
例えば他の業界に転職することになっても、例えばEXCELだったり、簡単なツールを使っているところがほとんどだと思います。
そういうところの知識を持っている人材は、重宝されるはずです。
「近い将来AIに取って代わられる仕事」なんて話題がありますが、ITエンジニアという職はなくなりません。
AIといえど基盤は必要。
AIを実際に動かす基盤となるサーバー、ネットワークというところで、生かせるスキルもある。
ぜひ飛び込んできてもらいたいです』